2019年4月4日J-オイルミルズ(東京都 中央区)においてドイツパン・菓子勉強会、リテールベーカリー協同組合、日本アンバサドール協会によるThierry Meunierの(ティエリー ムニエ氏) 講習会が開催されました。
今回はセミナーの模様をお伝えしますが、ご存知のようにフランスは1日に焼くパンの桁が違うので低い温度帯で生地を保存し、いつでも焼けるような生地を作ります。そういったところを踏まえ画像を中心に紹介します。
Thierry Meunier プロフィール
1964年 ノルマンディー出身
1992年 クープ・デュ・モンド フランスチームのキャプテンとして出場し優勝
1997年 MOF取得
2000年 ガレット・デ・ロワコンクール優勝
2013年 自店ティエリー ムニエ MOF ブーランジェリーをオープン
2017年 シュバリエ授与される
私は40年間、様々な製法を用いてパンを作り続けてきました。発酵、原材料に気を配りながらパンと向き合ってきまました。
今回日本の友人と話している中で、日本のパン業界が直面する課題ですがフランスでも同様の問題を抱えていると感じました。原材料の高騰、優秀な人材の確保などです。私は先ほど申し上げたようにパン作りに情熱を注いできましたが、これからも美味しいパンを合理的な方法で焼いていかなければならないと思っています。今日はフランスで私が実践している製法をみなさんにお伝えしていこうと思っています。
バゲットムニエ
フランスでは1日に800~1000本単位で焼くので捏ねあがった状況で4~8℃でストックできる。
長時間発酵させているので、作業時間の誤差は影響がない。
分割後のナマコ形に丸めていく時点で成形が始まっている。ここで成形は半分終わっているので
綺麗に丸める。成形は二回で、閉じていく.
ムニエ粉:10kg
水:7L
天塩:200g
生イースト:36g
ミキシング: Ll0分M1分
捏上温度:22℃
フロアタイム:20分P20分P20分 4~5℃で17時間冷蔵保管
分割:300g
ホイロ:25℃/30~40分
焼成:上火240℃/下火240℃ 25~30分
パン ド カンパーニュ
ルヴァンは、酸味を抑えデュールではなく液状のリキッドタイプを使用している
今回はフリュイを作るがひとつの生地から色々な製品に仕上げる
小麦粉ビオ:5kg
ライ麦粉:1100g
天塩:150g
生イースト:45g
ルヴァンリキッド:1600g
水:3、5L
ミキシング:L5分M5分
捏上温度:24、6℃
ホイロ:25℃ 40分
焼成:上火 240℃ 下火240℃ 22分
パン オ フリュイ
カンパーニュ生地:5kg
シナモン:7g
アプリコット:180g
イチジク:180g
サルタナレーズン:180g
ヘーゼルナッツ(ロースト):180g
プルーン:180g
バター:180g
サワーチェリー:180g
シリアル:215g(+水215g)
ホイロ:25℃ 40分
焼成:上火 240℃ 下火240℃ 22分
パン フォユテ ロックフォール
ロックホールチーズとバターを合わせシート状にして折り込んでいく。
発酵を摂り過ぎると生地が縮むのでわかめで折り込みを行う。−20℃ 4折り2回
ムニエ粉:1700g
ライ麦粉:300g
天塩:36g
グラニュー糖:160g
生イースト:16g
水:1300g
フランスパン生地:600g
折込バター:500g
ロックフォール:400g
ミキシング:L4分M5分
捏上温度:24℃
ホイロ:25℃ 60分
焼成:上火 210℃ 下火 230℃ 25分
バゲット フォイテ
バゲットより、固めの生地を使う
折込バターは対粉50パーセント
生地は発酵オーバーを避けるため、冷凍庫で生地を冷やす
その際、バターが固くなるので注意する
強力粉:2kg
天塩:40g
生イースト:60g
グラニュー糖:160g
フランスパン生地:1kg
水:1100g
ミキシング:L3分M6分
捏上温度:22℃
フロアタイム:40分
折込:4折×2回
ホイロ:25℃ 20分
焼成:上火 240℃ 下火 240℃ 23分
ブリオッシュ
生地を傷めないためLで長めのミキシングを行う
口溶けよく焼き上げるために焼成時間に注意する
フランスの気候は乾燥しているのでパンがしっとりさせ口溶けを良くする
強力粉:2kg
天塩:40g
マセレ:300g※
生イースト:80g
脱脂粉乳:100g
全卵:1400g
フランスパン生地:400g
バター:1kg
ミキシング:L30分↓バター マセレL20分
捏上温度 :22℃
ホイロ:28℃/60分
焼成:上火180℃/下火190℃ 20分~
※マセレ
グラニュー糖:2kg
いちご:20g
カルヴァドス:20g
グランマニエ:20g
ラム酒:20g
【ブリオッシュ マカロナード】
卵白:150g
グラニュー糖:150g
アーモンドプードル:150g
薄力粉:100g
仕上げ:アーモンドスライス 粉糖
【シュトレン フランセ オフリュイ】
オレンジ:300g
レーズン:300g
アプリコット:300g
プルーン:300g
サワーチェリー:300g
ローマッセ:大30g 小10g
バゲット トラデイ ムニエ
レスペクチュスパニス製法
ムニエ氏も属するアンバサドール協会の会員の意見交換から生まれ、小麦のあまさの出る製法。
ミキサーで仕込むことも可能だがこの日は手捏ねでデモを行った。
均一に混ぜるために、イースト、リキッドは吸水に溶かしておく。
アートフェックスのような手付きで混ぜていく。
手で混ぜることでイーストなどの混ざり具合が把握し易いく、空気が入ってない黄色生地を維持
する。空気が入ると白くなり酸化してしまう。
捏ね上げ後、パンチを3回行い生地に力を付け、18℃18時間発酵させ香りを付けていく。この
製法を初めて学んだ時、今初めてパンの製法を学んだような気がした。
ムニエ粉:10kg
水:7L
天塩:180g
ルヴァンリキッド:10g
生イースト:10g
ミキシング:手捏ね
捏上温度:22℃
フロアタイム:20分P20分P20分 18℃で18時間冷蔵保管
分割:300g
ホイロ:25℃/30~40分
焼成:上火240℃/下火240℃ 25~30分
手捏ね
パンチ 1回目
パンチ 2回目
3回目 パンチ
分割前