-忙しい時でも話し込んでしまうとお店も混雑など影響ありませんか?
「常連さんが多いので、そのあたりは皆さんも熟知されていて、影響はありません。
お客様とは良い距離でいたいと思っていますし、また来たいと思ってもらえるような店でありたいですから。」
-常連さんが多いと言うのは地域からも愛されているということかもしれませんね。
「個人店は効率より、お客様との距離が大事だと思います。
先ほどお客様に気持ちよくお買い物をしてもらいたいと話しましたが、パンの美味しさも接客によって変わると思っているので効率よりお客様に寄り添った接客を心掛けるようにしています。」
-そうですね、この連載の肝もそのあたりです。今後のKamo bakeryはどんなお店にしていきたいですか?
「あのパン美味しかったと言ってもらえる地域の皆さんのパン屋であり続けたいですね。
そういう言葉は美味しくてもなかなか言ってもらえるものではないのですから。うちはお客様からそういう言葉が聞けるようなお店にしていきたいですね。3年間やってきて地域の方に支えられて、少しずつですが皆さんから声をかけてくれるようにはなってきていますが、もっともっと地域に根付いた店を目指していきます。」
取材中、春花さんに好きなパンを聞くと「パン全般好きです。ドンク時代の先輩のお店に伺って色々なパンを食べるのは勉強にもなるので旦那を助手席に乗せて家族で出掛けています笑。」
製造を担当している遼平さんからはこんな話が聞けたので、参考までお聞き下さい。
「追加かどうか迷ったら追加せず売り切る」
「美味しいパンには原価を掛けないとならないと思っています。」
これはひとつひとつのパンのクオリティを維持すると言う意味もあります。
それには原価をかけて美味しいパンを作らなければなりません。
うちでも日々、その日の流れでパンが無くなったら追加はします。
日にもよるのですが、残るかどうか迷った際は追加せずに売り切るようにしています。
追加をする、しないは賛否両論あると思います。
売れ残ったパンも原価を掛けて作っていますから残る数が多いと年間相当数になってきます。
その数は多いと経営を圧迫する数字になってくると思うのですよ。
そうなってくると対策が迫られ原材料の見直し等を余儀なくされ、パンのクオリティの維持、美味しいパンの提供が難しくなってきてしまいます。
それは絶対に避けたいと思っているのでうちでは追加に迷ったら追加せず売りきりでお店を運営しています。
*個人経営のベーカリーではパンの廃棄処分、ロストというのは数字以上の意味を持つと思われます。こういった試みもひとつのやり方だと思いますので記しました。