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着る物までなのですね
石川
私たちは食の仕事をしてきたので、どこかで動物性のモノに恩恵を受けきましたけど、家畜から排出されるメタンガスは気候変動の原因のひとつと言われています。
そちらが本来の目的と言いますか
石川
環境問題活動家の人と話す機会があるのですが、皆さんベジタリアンですね。
スウエーデンの16歳のグレタさんが話題に上がっていますが、日本だと環境問題より16歳に注目されていますけど
石川
私自身もこれまで甘んじてきたわけですけど、ここ何百年かのライフスタイルの変化が温暖化など地球環境に及ぼしてきた影響ははかり知れません。未来の子供たちのためにも豊かな地球環境を取り戻すことが求められています。
一方で食文化は広がりを見せていると思うのですよ、飽食の時代であるのも否めないですけど
石川
そんなことを言っていても温室効果ガスによる気温の上昇が続けば植物だって育たなくなってきますから飽食なんて言っていられなくなると思いますよ。
話をパンとお菓子に戻して頂きますが、パリで多店舗化されていらっしゃいますがお店の方は今後そちらにシフトされていくのですか
石川
現行のお店はお客さまのニーズもありますからすぐには難しいですね。新たなブランド展開として考えています。動物性の素材はこれから安定供給されるのかも疑問を感じていますし。
先ほど食べさせて頂いたブリオッシュの油脂は何を配合されていますか?
石川
フランスではベジタブルバターが流通していて植物性の油脂です。今日食べてもらったのはマーガリンですが、フランスではオリーブのバターを使っています。私たちはお客様の生活を守るのも使命ですけど、同時に環境問題を提示するのも仕事だと考えています。今月中にパリでヴィーガンの店をオープンする予定ですが、パンを個々包む包材もプラスチック製のものは使いません。原材料はプラスチッック製の包材で納品しないように納入業者さんも協力頂いています。私たちでどれくらい出来るか分かりませんが、小さな一歩かもしれませんがトライしていきます。
フランスでおふたりのデモンストレーションを見る前にカンヌ国際映画祭で出された料理がヴィーガン向けという情報をあり気になっていました。調べてみるとポールマッカートーニーの呼びかけによりミートフリーマンデーという運動が始まっていて食と気候変動を結びつける考え方が欧米では浸透しているようです。
最後にヴィーガンとベジタリアンの違いの中で、ベジタリンは牛乳、卵、チーズ乳製品を摂ることが挙げられますが、チーズをやめられないフランス人が多いと言う話が今回聞けました。マーガリンなどの植物性の素材が再認識されていくかもしれません。