パンの資料

今月のピックアップ 2 角食 山型パン !!

今月のピックアップ 2

角食 山型パン !!

昨今、柔らか過ぎる食パンがブームになっています。日常消費されていた食パンが行列を作るようになり、土産物へと変貌しました。
方やスーパーでは相変わらず人寄せのために格安な食パンが並んでいます。

そして新型コロナウィルスの影響からリテイルベーカリーでは食パンが好調のようです。

今回はブームの先にある、長く作り続けるられる食パンを検証したいと思います。

パン類品質表示基準からの抜粋になりますが
「パン生地を食パン型(長方体又は円柱状の焼き型)に入れて焼いたもの」が食パンと定義されます。

角食パン 配合%

強力粉   100
砂糖                     68
                         1.82
脱脂粉乳            2
パン酵母(生) 1.52.5
油脂      38
                         6570

捏上温度            2627℃
発酵時間   6090
分割     型に準ずる
ベンチタイム 30
成形     モルダー通し又は手成形
ホイロ    38℃ 80% 4060
焼成     200℃210℃ 30

小麦粉
強力粉のみで捏ねることが多く、全粒粉など使用したバラエティーなものも好まれています。

糖分
6
8%が理想とされています。10%ということを聞くことがありますが、甘味は強く感じられます。
使用する糖は、上白糖、グラニュー糖が主され、上白糖は吸湿し易いので保管場所には注意が必要です。
山型食パンは砂糖、油脂の量が少ない傾向で食べ口がハードになるタイプが見受けられます。

油脂選び
固形油を用いるのが主で、ショートニング、バター、マーガリン。ラードは山型パンに使用する事が多く、使用量は各38%
油脂は生地原価、需給状況により併用することも考え方のひとつです。

焼き色に影響する脱脂粉乳、牛乳
脱脂粉乳は原価的には安いですが、たんぱく質含量が約35%が含まれ、発酵によるパン生地のpHの過度の低下を抑制する緩衝作用があり、特有の風味、栄養価を付与することが出来ます。吸湿し易いので保管場所注意。原価次第ですが、牛乳を使うこともお勧めです。

パン酵母選び
生タイプの場合(1.52.5%)を用いることが一般的だが、近年はドライタイプを使う店も増えてきています。

製法 
リテイルベーカリーではストレート法が多いです。
ソフトな食感、賞味期限を延ばす(セントラル工場で集中生産)等の理由で中種を採用しているところもあります。大手製パンメーカーは中種法で作られています。
山型食パンも基本はストレートが多いですがオリジナルを求め、ポーリッシュ法やパートフェルメンテ法で仕込むベーカリーもあります。湯種法でもっちり感が特徴的な山型パンも多いです。

捏上温度 発酵時間
捏上温度は2627℃とされ、ストレート法では一次発酵時間が6090分。
30
分、120分のレシピも見受けられます。
山型の場合は、長めな発酵で60120分。途中でパンチ。丸め方は角食と同様と考えられます。

パンチの有無
発酵時間の半分または2/3でパンチします。生地改良剤を入れている配合では必要ないと考えます。(山型のパンチ


型比容積は食感に関与します。生地量を少なくすれば、食感は軽くなる。重くすればもっちりとした食感に。
型は材質により火通りが変わります。シリコン等の表面加工されたものはパンの型離れも良いです。
山型は角食の型より縦長の方が見栄え良いと思います。

分割丸め、成形
成形方法によって丸める強さを変えています。手丸めしっかりと丸める。モルダー生地が切れない程度。
ガス抜きは丁寧に、しっかりと丸めて良いと思います。生地が切れない程度に。
山型の成形は、手丸めか俵型成形。

ホイロ時間
角食パンは8割位で窯入れを目指す。窯伸びが足りないと食べた時に口の中でダマになる傾向。伸び過ぎると腰折れの原因に。
山型食パンは、型上位で焼いていく。

焼成

焼減率%=(生地重量焼成後重量)÷生地重量×100
角食パンだと8から10%の焼減率
山型食パン 12から15%の焼減率

販売
完全に冷めてから包装しないと結露が発生、カビの原因となるので注意が必要です。
ノロウィルス対策として、スライスや包装時には手洗い、プラスチック手袋を使用。

食べ方の提案
食パンの食べ方の提案ですが、パンを厚くスライスしてトーストしバターを塗り、卵料理、サラダ、コーヒーなどと共に食べるシンプルな提案が、長く食べてもらえる提案かと思われますが、近年国内では様々な食べ方の提案もあるようです。程よい薄さにスライスし、具材を挟むサンドイッチは食パンを美味しく食べる提案の定番中の定番です。SNSによる映え効果でフルーツサンドも人気です。男性はカツを挟み、ガッチリしたカツサンドにビールと言う提案も有りかと思われます。

関連記事

PAGE TOP