パンを楽しむ料理 4 チーズペアリング
こちらの記事は無料記事の続きとなります。
鈴木優子
約2か月の研修を終えて研修を受け入れてくださったMOF熟成士は
「僕がやっている仕事はチーズに関する仕事の中でもほんの一部で、農家で牛を飼う人・チーズを作る人・流通する人がいて僕の様な熟成士がいる。他にもレストランでチーズをサーブしたり、チーズを使って料理をしたり、食べ方を提案したりという仕事もある。君が観たのはチーズの仕事のほんの一部だったけれど、日本からフランスに来てフランスのチーズ文化を積極的に理解しようとする人に出会えてとても嬉しかった。」と言い、次どこかに研修をお願いするときにこれを使いなさいと言って推薦文を手渡してくれ、後にその手紙のおかげでパンのMOFのお店で働くことができました。ジャンルは違ってもMOF同士の信頼やつながりを知りました。
<チーズの紹介>
コンテやカマンベールなど日本でも食べる機会が多く好きなチーズも沢山ありましたが、今回紹介する「サンマルスラン」と「フルムダンベール」は日本であまり食べる機会がなかったチーズです。研修をしていた時に多くのお客様が購入し、自分自身も好きになったチーズです。
フランスで私が出会った家族の多くはタッパーなどに数種のチーズを入れて食後にチーズの時間を楽しんでいました。その日家にあるパンにチーズを乗せて食べて食事を締めくくっていました。日本で白米とお漬物数種で食事を締めくくるのと同じだなと思いました。
私はお給料代わりにチーズを食べる権利をいただいたので近くのパン屋さんもで様々なパンを購入し組み合わせながら楽しんでいました。
そこでおススメするのが
サンマルスラン×パン・オ・セーグル(30-50%ライ麦パン)
フルムダンベール×フルーツ&ナッツパン
SAINT MARCELLIN(サンマルスラン)
フランスのローヌアルプのサンマルスランという町で作られているソフトタイプのチーズです。
80gほどの円盤状で陶器に入っているものもあります。
山羊乳でつくられていた時代もあったそうですが今は牛乳で作るのが主流になっています。
熟成段階によって印象が変わり、熟成が増すにつれてとろとろクリーミーな食感になります。
ヘーゼルナッツのような後味でバゲットやカンパーニュなどのパンとも相性が良いですし、ライ麦の入ったパンと食べるのが私のおススメです。
濃厚な乳のコクと甘みが口いっぱいに広がりライ麦パンの香りでキリッとさっぱりした後味になります。パンに乗せてそのままでも良いですし、短時間トースターで焼いてチーズをトロッっと溶かして食べるのも試していただきたいです。
若い状態のものは切ってサラダに散らして食べるのがおススメです。
私が研修していたお店のサンマルスランは陶器には入れずに販売し、お客様の好みに合わせた熟成度合いのものを選び販売していました。
FOURME D’AMBERT(フルムダンベール)
フランスの中南部のオーベルニュ地方の青カビタイプのチーズです
直径13㎝高さ20㎝程の円筒形で重量は2kgほどです。
フランスで有名な青カビチーズの「ロックフォール」と比較すると穏やかな味と香りです。
バゲットとの相性も良いですが、フルーツやナッツの入ったパンと食べるのが私のおススメです。青カビチーズ特有のピリッとした感じがフルーツの甘さやナッツの香ばしさでマイルドになります。スパークリングワインやデザートワインとの相性が良いです。
私が研修していたお店ではお客様の欲しいグラムに合わせてカットして販売していました。
日本では円筒形を横にスライスして円状が半円状で販売されていることが多いと思います。