パン屋のこゝろ得 5
デイジイ(埼玉県 川口市)
倉田博和
こちらの記事は無料記事の続きとなります。
パン屋さんに限らず行列が出来るところを売りにしている店などもありますが?
倉田
うちはないですね。むしろ 2~3 人並んだらすぐにレジに入ります。現代はみなさ ん時間がありませんから。待ってる時間が楽しければそれはそれで良いのかも しれないんですけど、やっぱり時間がないお客様に少しでも早く対応するのもサ ービスのひとつです。例え、手元が遅くても一生懸命やっていればお客様もわかって頂けるはずですから。
確かにそれは通じると思います。
次に衛生面の話をお聞かせください。 昨今のコロナの影響もあって飲食業界の衛生面の徹底がこれから更に問われ てくると思いますが?
倉田
3月頃から少しづつ段階的に厳しくなりましたね。はじめは手指のアルコール消毒、マスク、パンの個包装程度でしたが、タッチパネル、ドアノブの頻繁に消毒、ドアや窓を開放しての喚起、レジスタッフを守るためのビニールシート、三密にならない為の入場制限‥‥今は混み合うので、お客様やスタッフを心配しながらの営業です。フェイスシールドも導入しました。食品関係のところは元々行っていることですが、スタッフの体調管理 にも気をつかっています。
スタッフの体調管理は自覚もあると思いますし、難しいところもありますよね?ナ マモノを食べないとか?
倉田
そういう会社さんもありますよね。就業規則に書いてあったり。ただそこまでは 管理は難しいです。朝礼の時に「体調」について確認はします。食に携わるものとしての自覚や意識を持ってもらうように日頃から指導はしています。
そうですね、スタッフ自身の自覚を促すような。そういうところは、本当にこれか らどんどん問われてくるかもしれませんね。接客の際のマスクはどうされてます?
倉田
勿論今は全員着用です。通常時は販売スタッフは花粉症やアレルギーなどの事情がない限り、基本的にはマスクはしません。
花粉症やアレルギーはくしゃみ、咳は突然きますからね
倉田
お客様とのコミニケーションが必須です。マスクという壁ができることで、何を言っているのかわからなかったり、一番は表情が分かりませんし、接客には笑顔がないといけませんし。
笑顔は大事ですよね
倉田
ただコロナ対策で今の状況が長く続けば、それらが普通になってしまうことを懸念しています。オーブンフレッシュの店舗は、もと元々、焼きたて、出来立てを売りにしているので、パンを裸で販売するということは当然なのですが、お客様からしてみたら、個別包装していないことが不自然になってしまったり、過度な対策が過剰な心配を軽減できる安心材料になったりするのではないか?などと思ってしまいます。入場制限も、お客様によっては、「度合いが低すぎて、もっと制限をすべきだ」とも言われたりします。
そのようにクレームも無きにしも非ずだと思うのですがクレームに対するマニアル などありますか?
倉田
マニアルと言うか、直ちに店長や上司に報告することになっています。そして全て対応しています。例えば、こちらに非があるかどうかわからないことでもお客様がそのように感じたのであれば、そのように思わせてしまったこちらが悪いというように、考えるようにしています。決まりがないので、都度考えて対応しています。
なるほどですね。クレームのようなコトがあった場合は、スタッフと共有されるのでしょうか?
倉田
うちはスタッフとの LINE グループがいくつかあります。管理職とかそれに準ずるスタッ フとすぐに共有します。今日こういうことがあって、このように対応して、今後は各店舗も気を付けるようにとその事実を共有して、次につなげます。自分の店で起こったことではなくても、ほぼリアルタイムで体験する感覚で自分の記憶に、残り、ひとつの経験値となります。そういったことでも、社員の教育につながりますね。