パンの資料

製パン基本のき 7 ベッカライ ブロートハイム 明石克彦 

製パン基本のき 7

ベッカライ ブロートハイム

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パン関係の既製品では無くても目先を変えると使い勝手の良いものがあると言う訳ですね

明石
そうは言ってもオーダーしなくては成らない物もあります。うちは型はオーダーです。理想とするパンから縦横の比率、オーブンに入れた時に型と型の間隔や火通りなどにも重きを置いた寸法になっています。その他、窯から出し易いことも考慮してオーダーしてあります。

さすがに型はオーダーしないと作れませんものね。次にミキサーもカスタマイズされてますが?

明石
ミキサーはJPBの会長だった福田さんが回転数を落としていると聞いて参考にしました。
国内のミキサーも古くは低速がメインだったらしいのですが、アメリカから強力粉が入ってきた影響で回転の早いミキサーへと移り変わったと聞いています。生地はゆっくり混ぜて状態を確認しないとなりませんから回転数を落としています。ミキサーは回しながらギアを変えると欠けてしまうことがあるので、一個一個焼きを入れて鋼鉄にしてあります。オープンする時は、ミキサーを何台も持つなんて考えられませんでしたから、手を加えて長く使おうと思っていましたから。

パン屋さんの機器は安くは無いですものね。
ブロートハイムのMIWEは国内初号機と聞いていますが

明石
うちは食事パンメインですし、元々はドイツパンをやっていこうと思ってましたから、蒸気がたくさん出るドイツのオーブンが良いなとは考えていました。オープン前に京都のパン屋さんに、カイザーを食べに行ったことがありました。そこはドイツのオーブンで焼かれていたのですが店の方が「このオーブンは50年以上持ちますよ。うちだって何十年使ってますから」と仰っていて、ドイツのオーブンに憧れていました。ミキサー同様にオーブンも何台も持つなんて出来ないと思っていました

オーブンは国産でも高価ですものね、ドイツ製となると益々ですものね

明石
当時ドイツ製のオーブンと言うと全段同じ設定温度の物が主流だったのですよ。83年にiba展に視察に行く機会がありまして、そこに設定温度を各段設定出来る電気式のMIWEのオーブンが展示してありました。同行した関係者からこのオーブンどう思いますか?と聞かれたりしましたが、当時は高価でとても手が出るようなものではありませんでした。その後前述者からモバックで展示するので、パネルの位置など相談されたり、縁もあって修理しながら長く使えると判断してMIWEのオーブンを導入することが出来ました。

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