パンの資料

サンドイッチ日和 8  パン・ペルデュ ナガタユイ 

サンドイッチ日和 8

パン・ペルデュ 

ナガタユイ

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それでは、ナガタさんにお話を伺いながら「パン・ペルデュ」を辿りましょう。

はじめは認知度も高い卵と牛乳を合わせアパレイユにつける方法から紹介します。

 

日本のホテルや専門店では卵と牛乳を合わせて、長時間アパレイユにつけ込ませます。この製法ですと、食べたい時にさっと食べられると言うわけでは無かったり、長い間冷蔵庫のスペースを占拠するなど合理的とは言えないかもしれません。ほかに卵がしみ込んだパンは加熱が難しく、フライパンで焼くと生焼けになる等、デメリットとも捉えがちな事項が考えられます。

 

そこでナガタさんからの提案です。

はじめに卵は濾してなめらかにし牛乳と合わせるアパレイユを作る。アパレイユは温かいうちにパンと合わせ、最後に真空に近い状態で袋に入れて保管します。以上のような点を押さえておくと、短時間でしっかりしみ込み、生焼けなど防ぐことが出来ます。

 

次に卵液と牛乳液を分けて作るレシピを紹介します。この作り方は「新ラルース料理大辞典」にも掲載されている正統のレシピです。そこには、パン・ブリオッシュ(ブリオッシュ風食パン)で作ることが多いとも書かれています。

 

ブリオッシュは、パンに卵が多く配合されているので、牛乳をしみ込ませるだけでもリッチな味わいで、卵にくぐらせて焼くことで、表面を焼き固めることができる、という、理にかなったレシピです。

 

映画「クレーマー・クレーマー」のフレンチトーストを作るシーンでフレンチとはつくものの、アメリカ解釈のフランス風トーストなので、それがフランスのクラシックなレシピというわけではない、、、というのが勘違いされています。

 

しっかり浸したタイプも、焼き加減にこだわり、フライパンなら途中、蓋をして中心部までしっかり火を入れたり、フライパンで焼き色をつけてからオーブンに入れて、丁寧に焼けば美味しく作ることはできます。

 

この作り方なら、アルバイトさんでもささっと失敗なく作れるのも魅力です。

でも、そもそも、古くて固くなったパンを無駄なく美味しくいただく、ためのレシピなので、思いついた時にささっと気軽に作れるのが一番ではないかと私は思っています。

 

 

材料(2枚分)

ブリオッシュ・ナンテール

(30㎜スライス) 2枚

無塩バター    12g

メープルシロップ 適量

 

【たまごのアパレイユ】

たまご      1個

塩       ひとつまみ

グラニュー糖   10g

 

【牛乳のアパレイユ】

牛乳       200ml

グラニュー糖    20g

バニラビーンズ  1/4本

 

作り方

卵のアパレイユ〜A

たまごをボウルに割り入れてカラザを取る。塩ひとつまみを加えてよく溶きほぐし、グラニュー糖も加えてよく混ぜる。

 

牛乳のアパレイユ〜B

牛乳、グラニュー糖20g、バニラビーンズ(縦半分に切り、ペティナイフで種をこそげ取る)をさやごと鍋に加える。

沸騰直前まで温めてグラニュー糖を溶かす。

 

Bを目の細かいザルかシノワで漉してバットに入れ、ブリオッシュ・ド・ナンテールをひたして、耳までしっかりとアパレイユをしみ込ませる。〜C

 

CをAのアパレイユにくぐらせ、全体にたまごをからめるようにする。

 

フライパンに無塩バターの半量を溶かし、Cを中火で焼く。焼き色が付いたら裏返し、残りの無塩バターも加えてバターが焦げないように香りよく焼き上げる。両面に焼き色が付いたら側面を立てるようにして、耳も焼き色を付ける。

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