パンの資料

サンドイッチ日和   ナガタユイ

こちらの記事は
サンドイッチ日和
の続きとなります。

確かにそうですね

ナガタ
サンドイッチの講習会では、『ハムサンドと聞いてどんなサンドを思い浮かべますか?』と皆さんに質問します。その時にほとんどの方は食パンにハムを挟んだいわゆる三角サンドを思い浮かべるようです。でも同じ質問をフランス人に聞くと、絶対バゲットに挟んだジャンボン・ブールを思い浮かべるのですよ。イタリア人ならパニーニとか。だから、同じハムとパンでも、そもそものパンが、パンという言葉が意味するものが 違ってきますから。

日本人は食パンの三角サンドですかね

ナガタ
私はハムメーカーに長年在籍していたので、ハムの中にも色々なランクや味わいのものがあることを分かっています。パン屋さんなら、色々なパンを知っているのと同じですかね。パンとハムだけでも、その二つを突き詰めていったから、すごい基本になるのですよ。こんな当たり前のことが、すべてのサンドイッチの基本だと思っています。

すべてのサンドイッチですか

ナガタ
ハムサンドの話になってしまいましたけど、サンドイッチという言葉が生まれたイギリスで、サンドイッチ伯爵が片手で食べられるものを何か作ってくれと執事に作らせ、そこにあったローストビーフの余りであろうと思われるコールドビーフ……そこにある肉をパンに挟んだのですよ。それはわざわざ作ったものじゃなくて、そこにあるいつものパンで、食事の残り物の肉が、 冷たい肉があってそれを挟んだ。それ以前はサンドイッチという言葉はなかたようです。サンドイッチ伯爵が頼んでみんながそれを真似して頼むようになってサンドイッチって言葉になったと言われています。 これは諸説有って……本当かどうか不明なのですが。

その話はよく耳にする話ですけど‥‥

ナガタ
それ以前のイギリスで、サンドイッチに値する言葉は何かと言うと、『bread and meat』、パンと肉なのですよ。『え?パンと肉?』ってなんか冗談で言っているのかなって思いますけど、それがサンドイッチの基本だとするとやっぱりパンと肉は絶対の組み合わせだな、と思うんですよね。

パンと肉はベストマッチですしね

ナガタ
そうすると、フランス人の意味するサンドイッチの大定番は.……2年程前にハンバーガーにとって代わられちゃったのですが。それは置いておいて……フランスの象徴的なサンドイッチもまさにパンとハムとバターのみのジャンボン・ブールで、これもパンと肉ですね」。

ハンバーーガー!!ですか 笑

ナガタ
あと面白いのはバインミー。バインミーっていう言葉もパンなのですよ、パン。サンドイッチのことではなくて、本来はバインミーだけだとパン。ベトナムはお米文化ての国で、パン無かった国でした。ですのでフランス統治時代にフランス人が持ち込んだ文化なのです。それまでは、パンがなかった国たでしたから、パン=フランス人が持ち込んだフランスパン的なもの。それを指す言葉がバイ ンミー。サンドイッチは、バインミー・ティットっていう言葉があって、ティットは肉なんです。バインミーもやっぱり『bread and meat』なのですよ。ただ、 ベトナムのバインミーはいろんなものも入れてあるので肉もあるけど野菜も入ってます。そんな中、やっぱり本来は『パンと肉』っていうのが基本なのです」。

―パンと肉!今までの話を聞いていると、それじゃハムはどう選べばいいの?と思う人も 多いと思いますけど。

ナガタ
皆さん、お取引のあるメーカーさんがあると思います。それぞれ、最高級のラインから一番安価なものまであるわけですよね。ざっくりと高級、普通、安価の3段階に分けてサンプルを食べ比べるだけでも違うと思います。

―食べ比べですか

ナガタ
当たり前のことですが、食べ比べは大切です。分かりやすいし、そんな労もありませんし。

ナガタ
そうすると、一番シンプルなサンドイッチを作るなら、メニュー作りも引き算が大切です。このパンとハムだけを合わせるなら?と考えてみてください。パン屋さんはパンのプロだから、そのバゲットのおいしさを引き立てるのはどんなハムが合うか、絶対わかるはずです。

なるほど、器用すぎる日本人が考えると基本とはかけ離れてしまう可能性があるのですね

ナガタ
サンドイッチ作りは気合いを入れて難しいもの、他でやってないものとか、あとはボリューミーなものが流行ったら、流行ってるからとにかくビジュアル重視で“萌え断”とかは必要ないと思います。食材が増える程に、バランスが難しくなり、おいしさから離れていってしまう可能性があります。あとは、片手でも食べられる、食べやすさも大切です。

考え方としては、シンプルで良いのですね。

今回はナガタさんもお好きだと聞いた「ジャンボン・ブール」の作り方を紹介させて頂きます。

ジャンボン・ブール Jambon Beurre

フランス人が一番よく食べるサンドイッチといえばこちら。
ジャンボンとはハム、ブールはバターのこと。

バゲットにバターをたっぷり塗り、ハムを合わせたシンプルなハムサンドこそがバゲットサンドの王様です。
シンプルだからこそ、素材にはこだわりましょう。


<材料> 1人分
バゲット      1/3本
バター(食塩不使用) 15g
ももハム       40g(2枚)
ディジョンマスタード 少々
コルニッション    2本


<作り方>
①バゲットに切り込みを入れ、カット面にバターを塗る。
②ももハムをはさむ。
③コルニッションとディジョンマスタードを添える。

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