*StEmilionホームステイ
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7月のボルドーワイン学校に行って先生にボルドーでの収穫体験をしたいから研修先を紹介してほしいと懇願し、ブドウの収穫時9月から10月にかけてボルドーのサンテミリオンという場所でホームステイをさせていただきました。
天気予報をみながら各シャトーの収穫が始まり、道を歩いているとブドウを絞った香りが漂ってきて、みんなの興奮が伝わって来ます。機械で収穫する人、手で収穫する人みんな汗だくになって働きます。ボルドーと言っても広範囲に渡っていて、StEmilion(サンテミリオン)という場所はほとんどのシャトーが赤ワインのみを作っていました。ぶどうの種類はメルローとカベルネ。
- Vendange(ヴァンダンジュ)の時
ホームステイ先のマダムの紹介で収穫の30代の夫婦でワイン作りをしている小さなシャトーのお手伝いをする事になりました。収穫をVendangeといいます。夫婦を手伝うために週末に友人が15人ほど集まり収穫をするということで仲間に入れてもらいました。汚いズボンとシャツを着て、長靴を履き、帽子とサングラスを着け、はさみとバケツを手にしていざ出陣!!ブドウの木の高さは私の背より15cmくらい低く、ブドウ自体は地面から40・50cmの所になっています。木は1m間隔で50m続き、真っ直ぐに線を描いて植えてあり列と列の間は約2mの間隔。2人1組になって1列を担当し両脇から収穫をしながら移動ししゃがんでブドウを切り、カビなどをチャックしてバケツに入れ、次の木に1歩バケツと共に移動し、またしゃがんでブドウを切ると言った作業を行います。プラスティックで出来た大きな容器(籠)を背負う係りがいて、収穫している人の所に歩いていき、ブドウを回収し大きなポリバケツにブドウを移す。ブドウを収穫する時の注意事項がいくつかあるので全てのブドウをチェックしながら収穫を行います。カビが生えているブドウは木の下に捨てる。取り除ける範囲だったらカビている部分を捨てて後はバケツに入れる。ブドウがカリカリに乾いている部分は取り除く。葉っぱが混ざらない様に注意する。茎が黒っぽいのは病気なので捨てる。ポリバケツにいっぱいになったブドウはトラクターに積み、荷台がいっぱいになったらワインを造るシャトーへと向かう。シャトーには茎を取り除く機械があり、乾燥機の様な機械にブドウを入れるとブドウの粒が茎から全て取れてステンレスのタンクにポンプアップされる。とりのぞかれた茎の部分は畑に帰り肥料となる。収穫してすぐにこの作業を行わないとブドウの発酵状態が低下するので流れ作業で素早く行っていました。
私にとって初めての事なのでブドウの選定などに時間がかかり手もベタベタになり誰かと会話をする余裕もなくひたすら作業に集中し、いかに効率よく出来るかを考えながらブドウと向き合っていました。週末の2回に渡り同じジャトーの手伝いをしました。1週目はメルローを2週目はカベルネソービニオンを収穫しました。カベルネの方が熟すのに時間がかかるので時差をつけて収穫するそうです。食べてみるとカベルネの方が酸味と渋みを感じました。お手伝いをしたシャトーではお給料の代わりに手伝った全員分の食事を振るまってくれました。フランスらしく、前菜・メイン・チーズ・デザートと昼からフルに頂き、ワインもフルに飲みました。午後はほろ酔いで収穫の続きをして夕方作業が終了して各家庭に帰り、お風呂の後夕飯にまた集う。みんなで食卓を囲み夜中まで飲み、喋り、とても貴重な素晴らしい時間でした。全ての収穫が終わった時は達成感があり、夜にシャトーの夫妻は“手伝ってくれたみんなにありがとう”と乾杯を、手伝った仲間達は“2006年ワインが2人の手によって最高のものになりますように”と乾杯している姿を見て感動しその時間を共有できたことに感謝しました。
収穫後は夫婦でワイン作りを進めていましたが私は毎日の様に手伝いに行きました。
タンクに入ったブドウの粒は重みでジュースとなり、皮や種の部分は徐々に上昇し皮の層が出来、これが液を保護する。ブドウの持っている天然の酵母でアルコール発酵させる場合もありますが。イーストを加えてあげることにより発酵が安定するそうです。数日したらタンクの中をかき混ぜるポンプアップの作業が始まります。
熟成が終わり皮を取り除く作業も一緒にやらせてもらいました。
他の大きなシャトーでも研修や見学をさせていただき、機械での収穫やボトリングの手伝いなどもすることができ、ワイン作りのほんの一部を体感することができました。
シャトー訪問で作り手さんが必ず口にして印象に残っている言葉は「テロワール(大地)」でした。良いテロワールから良いブドウができ、優秀な作り手の力によって良いワインができると自分のシャトーを誇りに思い仕事を続けている姿は素敵でした。