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パン屋のこゝろ得 4  BEAVER BREAD   割田健一

パン屋のこゝろ得 4

BEAVER BREAD 割田健一

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どれぐらいなんですか?人数は?

 

割田

 社員と製造も販売も入れて31名です。

 

結構ですね。その中から1日だいたい何人ぐらいで稼働させるのですか?

 

割田

 販売はでも56人じゃないですか。

 

パンをスライスしたりって作業は、それなりにかかるじゃないですか?そういうことの研修は行ってるのですか?

 

割田

 教えますよ。こうやって切ってって。でもみんなが教えていくので、たぶんだいたいみんなできるようになりますね。軽くちょっとみんな追い込まれるんですよね。気持ち人数少ない。常に2.5…3もあるんですけど、やっぱり「スライスお願いします」ってぼんぼんくるんで。そうするとスライスせざるを得ない状況が出てくると

 

 慣れ?

 

割田

 慣れ。教えはしますけど、やっぱりもう結構忙しいので、結構慣れでもう覚えていってもらうしかないっていう

 

ちょっと余談ですけど、厨房の方はやっぱりそういう素人というか本物の職人さんじゃない方もいらっしゃるのですか?

 

割田

 高校1年生も1人いますね。彼は土日で今コロナウイルスが出てこれ非常に面白いなと思ったのが、うちパートの女の人が平日の水木金って働いているんですけど。コロナウイルスの影響で子どもが学校が休みになっちゃってやばいと。そうすると主婦の人は来れません。だけど、今度は高校生の子が学校が休みになっちゃったから来れますって。

 

年齢層も幅広いですね

 

割田

 そうですね。だから本当にうち基本的にはどんどんいろんな仕事をやらせるので。本当に仕込みに関しても計量と水まで計って、温度も確認して捏ね上げまでやらせてます。

 

そこまで‥転々

 

割田

 素人でも。でも日本人ってある程度一般常識があるから、ある程度のところまで導いちゃえば

 

ある人ばかりではないですけどね

 

割田

 まぁまぁ。だから、本当に人いないとか仕事できないなぁってイライラしたりとかはもちろんするんですけど。でもそれコントロールできないのは俺が悪いんだと思ってます。だから、これなんか今日人一人少ないけどとか、なんかある時に導く答えがどこかにあるからそれをいち早く自分が答えを見つけて動かさないとダメなんだと思って。だから、1個商品削っちゃうと俺が15分手が空くから、それで俺が30引っ張れば30分ぐらいいつもより先に進むから、そうすれば余裕できるなとか。もう自分が導けないのは自分が悪いっていう、返ってくるって、それ分かってるけど

 

それは今までのキャリアで学んだ感じですか?

 

割田

 勿論そうですし、後輩から学んだりとか、いろいろですけど。でもなんかトラブルがあった時に導かなきゃいけないっていうのは意外とキーワードだなと思って。導くってあんまり普段使わないじゃないですか、言葉を。だから、導いたりとか自分で誘導していくとか。いい方向に。そういう考えでいくと、仕事ができない子でもなんかここまではできるんだから、来週までにはここまでできるようにすればいいじゃんっていうところの話をしながら、自分でやってればやっていってもらわなきゃ困るんですけど。

 実際お金を払ってるわけですからね。

 

割田

 だから、そうやってどうやって自分が導いていったらいいんだろうなっていうのを逆に女の子でも頭良い子は頭いいから。女の子って仕事っぷりも要領よくとか、そつなくっていうところがあるから。それ僕にはなかったりする部分だから、どうしても固定観念で動いていってしまうんだけど。それをなんとなくもうその女の子2人に渡しちゃって泳がしておくと「あぁ、こうやってやるんだ」っていう。逆に。「あぁ、なるほどね。じゃあ、次からはそのまんまのローテーでいこうか」とかあるんですよ。

 

マニュアル的なものにのっかってできるものでもないパーツもありますよね?パン屋の仕事って

 

割田

 でもだいたいのことは自分でやるっていうことですよね。

 

やらせるし?

 

割田

 やらせるし。でも自分が用意しておいて、あとは回しといてっていうところがあるから。そんな完全マニュアル化は絶対できないので。もう最後のポイントってあるので、そこだけは必ずつまんどく。自分で。

 

そこに着地点があれば、どういうやり方ででも?

 

割田

 はい。で、自分がやらなきゃまずい部分と任せてもいい部分のメリハリをつけていく、どんどん。

 

普通はうまく回らないじゃないですか?

 

割田

 でも、回す努力しますね、ずっと。

 

それは割田さんの努力?

 

割田

 で、あとはあんまり同じローテーションでやりすぎると余裕が出てくるからしゃべり始めるんですよ、女子。そうするとポジションチェンジ。

 

あぁ、そういうマネジメントってパン作るのとどうですか?

 

割田

 多分、それ全部パン作りのひとつだと思ってるので。パン作るためにポジションチェンジ。

 

例えば一人でパン屋やってる方とかもやっぱり実際いるじゃないですか、人も入れないでて。こういう人じゃないと採用しないとか?

 

 割田

求めてないですね、別に。

 

 求めない?

 

割田

 はい。だからでもやっぱり人がいないとはじまらないのと、うちはでも売り上げ1年目、2年目、3年目って120パーセント増しでずっとやってきてるから。っていうことは、前年の120パーセント売らなきゃいけないんですよ。っていうことは、俺が頑張るんじゃなくて頭の中どう頑張るんだっていうところの方がもう自分の1人の仕事の頑張りじゃない売り上げになってるから。もうどうにもならないんで。もうありとあらゆることを考えて落とし込んで進めていくのと、それと同時に僕だからオープン当時1時ぐらいから仕事してましたけど、今5時半ですからね。

 

だいぶ 身体が楽になってきたのですね

 

割田

 午後は事務仕事してますし。

 

場所柄もあるんですかね?人が集まるっていうのは。

 

割田

どの場所でもいいお店は絶対人来ると思いますけど、たぶん20がね、30は難しいんですよ。でもうち6070ってね、いけるんですよ。たぶん。もうなんか今そういう段階にきちゃって。だから、6070にするにはどうすればいいだろうと思って。それって頭使いますよね。

 

作れば売れるワケではないですものね

 

割田

労働時間は変わらずに。11月、12月はもう全年をクリアしちゃったから新作シュトーレンしか作ってないんですよ。1月に入って1月も結局作らず。2月は本当ちょこっとだったんですけど、やっぱり売り上げが前年のずっと120%で来てるから、3月どうするかと思って。3月去年メチャ売ってるんですよ。

 

昨年、売れて喜んでいても‥‥

 

割田

だから今月超やべぇなと思って。

 

テレワークとかで、人が居ないですよね

 

割田

 3あとは、売上去年すごい…1ヵ月で1000万超えてるんですよ。その3月だし。だから、もう3月は1日からもう3速入れないとと思って今毎日新作出してますよ。

 

あぁ〜

 

割田

 すぐに新作を出して。告知して。インスタとFacebookでやって。この世の中、今のコロナウイルスでっていう時に景気良くバンバンいこうと思って。だから今もう、今日もたぶん2品か。新作も桜を押しでやってるので。「今お店にある商品さ、桜練り込んでやったら何がいいかな?」とスタッフとやり取りして。みんなで笑いながら、桜のクルミアンパンとミルクフランスの桜があってもよかもしれないな、とか話して、だから、じゃあそれ毎日出せるようにいろいろ決めて。「今日何出るの?」って言ったら「クルミアンパン出ます」って。配合だけは確認して

 

任せることも自主的にやってくれる要因になるんですね?

 

割田

もちろん。

だからって、その人たちが、そっちにいくのは割田さんがきちんとマネジメントしているっていう道筋があるっていうことですよね?

 

割田

正直言うと、人には疲れますし、人のトラブルってありますね。ガンダムしかりワンピースしかり、ドラえもんだってみんな人のトラブルからのお話でしょう?だからスターウォーズだってそうじゃないですか。だから、やっぱりそれってもう本当に胸糞悪い時の方がいっぱいあるんですけど、それはそれでいいんですけど、一番はそんなことより売り上げを取っていく、勝ち続けることの方が一番だと思ってるから。いかにそこに特化しようと思って。

 

そちらに舵は切って行く感じなのですね

 

割田

もちろん。

 

ビーバーブレッドのFacebookとかインスタ見てるとここって力が抜けてる感じそんなに気張ってやってない感じがするのですが?

 

割田

これまでの私の経験からですよ、いまのカタチは。以前勤務していた会社では、新商品作って提出して、シェフ、部長、本社持って行って本社のオッケーもらって、本社の人が文章をうって出すとかっていってるけど。そんなね、時代じゃないんだよ。

 

たしかに

 

割田

 作って今ぽんっ。出す、ハイ終わって。

 

ダメならやめればいいんだもんね。

 

割田

 やめたら次の日すぐ変わりますからね。この間いちごのショートケーキって僕フルーツケーキを生まれて初めてやったんですよ、パン屋で働く中で。やっぱりそれは試作してたんですけど、出して。やっぱり初日に20個ぐらいでいいんじゃん?って言ってたけど結局45個全部作っちゃって。やっぱりそれがそれ冷蔵庫入れておいた方がいいのかね?って。で、すごい言ってたんですけど。結果、もう冷蔵庫に入れるまでもなく。追いつかずに終わっちゃったから。でも商売ってそれだよなと思って。

すごく良い感じで転がっていっていますね。

 

 割田

でもそれを維持するためにって、どうすればいいんだろうなぁってずっと

 

維持するのは難しいですよね

 

割田

 ずっと考えてますけど。でもやっぱりいろんなシェフたちともお付き合いがあるし。今日も二つ星の浅草の二つ星今日からパンが正式に始まってさっきも納品したんですけど。またあの人たちの姿勢って、結構本物感があるから。俺らとは違う。なんか二つ星守っていくっていう。だから、ああいう人たち見ると「あぁ、結構言いたいことは言っていいんだな」。

 

レストランの他業態から学ぶのもアリですね

 

割田

僕が入ると「あぁ、おはようございます」「こんにちは」みたいな話になって、もう誰かが一人コーヒー淹れに行ってますからね。

 

素晴らしい

 

割田

 だから、なんかいろいろ

 

サービスが身についてるのかもしれませんね

 

割田

パン屋にはないところかもしれませんね。だから、そこってきっとなんか労働時間の問題も含まれていれと思っていて、意外とうちはちゃんとホワイトにしてて。残業が出たら40時間ではみ出た分は残業代払うし、残業代全部払ってるんですよ。

 

前年クリアしてるし

 

割田

 それで副業もオッケーにしてるし。月火休みだから。だからなんかねぇ

 

括りがすごくあるわけでもないところが、みなさんが気持ち的に動きやすいんですかね。

 

割田

 ただ、僕がいるからっていうところ。なんかやったら「それ違うよ」って普通に言われるし。言わなかったり、言ったりですけど。やっぱりいるっていうところだけがすべてなのかなぁと思って。なかのよいパン屋仲間とも話しますけど、やっぱりあの辺の人達の話はよく聞くし。パンを作ってない人にはちょっと興味ないというか。パン屋さんとしては。やっぱり料理人の人達も、でもやっぱりちゃんと厨房入ってやってる人たちとやっぱり付き合いがありますしね

 

世の中も変わってるし、原料も変わっていくだろうし、食べ手も変わるし。そうすると、変わっていかないと思いますけど

 

割田

そうですね。だからそれは今の時代に自分がここの場所でやってるからこれだよねっていうのはすごい考えますよ、そこを。別に売れれば何でもいいので。

 

売り上げはウェイトが大きいですよね

 

割田

 今サンドイッチをすごい今網4枚置いてサンドイッチ押しで毎日やってるんですけど、10万いくんですよ。サンドだけで。

 スタッフに作ってもらって、デザインとかは一緒に考えるんですけど。

 サンドイッチは、ル・ルソール?の清水くんがね、ビーバーはちゃんとサンドイッチやった方がいいよって言われて。「わかった、やるよ」って言って7月から始めて。やっぱりそういうタイミングだったんで。で、やっぱり12月かな、1月だったかな、10万超えたんですよ。その日に連絡して。清水くん年下なんですけど「清水くんのおかげで10万いけました」って。「え?もういっちゃったの?もうちょっと時間かかると思ったのに」って言われたんですけど「ありがとうございました。じゃあ、ご飯行きましょう」って言ってご飯行って。

 

10万円分おごらなきゃ 笑

 

割田

 で、次の課題いただけませんかっていう話をしながら、次また頑張りますっていう。まぁ、冗談で話はしてるんですけど。清水くんはすごいそういう意味でも

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