パン屋の焼き菓子 11
カヌレ
あの無骨な風貌から苦味の効いた独特な甘さは想像が付きますかね。
焼き菓子は粉を使うことが多いので食感はどこかで食べたことのある記憶が呼び戻されますが、あの食感はなかなか出会ったことのないように感じます。
今月はボルドー地方の素朴なお菓子カヌレを紹介します。
カヌレ作りは、あの銅の型に液状の生地を注ぐと焼き上がる?と言うような簡単な話ではないようです。
始まりは牛乳にバニラのさやを入れ鍋で沸騰させるところから始まります。そして一晩寝かします。
翌日混ぜ合わせた小麦粉とグラニュー糖に一晩寝かせバニラ入り牛乳を合わせていきます。そこに卵を数回に分けて加えます。
そしてラム酒と焦がしたバターを混ぜ合わせます。そしてまた一晩寝かします。
一晩経った生地を、あの銅の型に流し込みます。型の内側にはバターと蜂蜜を塗り、濾した生地を注ぎ、高めの温度帯で約60分焼き込めば出来上がります。
冷めて、落ち着いたらあの味と食感になっています。資料を眺めているとワインに合わせるなどウンチクもありますが、そのまま食べて味わうのがいちばん美味しいのではないでしょうか。
カヌレを焼いているパン屋さんは多いように感じます。原材料は厨房にあるはずですから、型さえ購入すれば焼けるはずです。捨て火で焼いたりは出来ませんが、香り高い焼き菓子が店頭に置くのも有りかと思います。
フランスの地方の菓子なので愛想有りませんが(失礼!)あの味と食感はリピートしやすいと思われるので是非焼いてみてください。
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