パン屋さん

パン屋噺 2 エグヴィヴ 

パン屋 噺

エグヴィヴ

丹野隆善

 

こちらは前回の記事の続きです。
前回の記事はこちら

 

話飛びますが、丹野さん、次回のロデヴの会で講師されるんですか?

丹野

今回はbi.blé(https://bi-ble.jp)の小川さん(小川久雄氏)が講師デビューなのですが。それこそ3月、ルレ・エ・シャトーってご存知ですか?。

すみません、存じてません

丹野

フランスのグランメゾンとかレストレランとかオーベルジュとかやってるような、音羽さんやモリエールが日本でも支部をされています。ほかに日本の旅館とか入ってるんですけど。鹿児島に天空の森っていう所もルレ・エ・シャトーに入っていまして、そこでモリエールとのコラボ企画があったのですが、その際にモリエールチームに同行させてもらったんですよ。

モリエールチーム、凄そうですね

丹野

それこそ中道さんから、アナログのあれって仰られて。『石の上でパン焼けないかなぁ』なんて。『石の上でですか?』って 笑。

いや、おもしろかったんですよ。それを去年の10月とかに言われてたんです。現場がどういう環境かわからないけど、ピザ窯があるらしいと。ピザ窯って言ってもどんな窯かもわからないし、ましてその後、石で焼くとかっていうのもあったんで、ひとまず俺も現地見てみたいって言った後、紆余曲折ありまして。とりあえず石の上で焼いてみようと思って。窯の床に敷いてある石があるんです、スペアがあったので、ガス台の上でばぁって強火であっためて。そうすると、当たり前なんですけどね、下からの熱だけでこんなに分厚い石の上の表面を二百何十度にしようと思ったら4~5時間焚きっぱなしなんですよ。こもらないし、逃げっぱなしじゃないですか。あ、そうかと思って。でも、まぁ4~5時間焚きっぱなしにしてなんとか二百何十度まで温めて。それこそロデブの生地ちょっと硬めで、ルヴァンも少なめにして焼いたんですよ。そうしたら、ぷーっと膨らんできて。でも、下は焼けるんですけど、上がいつまで経っても柔いままで。途中でひっくり返してまた焼いて。そうすると10分ぐらいで焼けることが分かったのですよ、で、あぁそっかと思って。オーブンってすごいよなって。オーブンってこれがあるからオーブンなんだよなと思って。例えばこういうのを上からかぶせたんですよ。生の生地があると、そうすると、上がちょっと皮張るんですよ。あ、そういうことかと思って。

えー、おもしろいですね。

丹野

おもしろいんですよ。で、よりボリュームも出るんですよ。やっぱりでも焼き色まではつかないので途中でひっくり返しておやきみたいに焼けることはわかったんですよ。でも9分から10分ぐらいかかる、と。

しかも常にぐわぁって焚いてないと温度はすぐ下がっちゃう。それを中道さんに見てもらいたくて持って行きまして。『あの、こういうのが10分…焼けるんだけど、問題はこれでたぶん1回に9個ぐらいしか並べられません。で、焼けるのに10分かかります』。中道さんはそのプレートの上でパンを焼いて、天空の森ってすごいロケーションがいい。山のてっぺんでそこに火を焚いて石を温めて焼いて、そこでセルヴェル・ド・カニュっていうリヨンのあれを塗ってアミューズでシャンパンと食べてもらいたいという話なんですね。でも10分かかったらこれだめだよねって。お客さん待ってるのに10分も待たせられるわけないだろう、みたいな話になって却下されたんです。でも、中道さん的には『石の上で俺は焼きたいんだよ』って。『何とか考えれ』とかって言われました。

そっか、どうしようと思って。ちなみに『いや、あの丸はかわいいわ』って言うんですよ。ぷくっとした。で、どうしようと思って。たこ焼き器とかどうなんだ?とかっていうので、やったんですよ。鋳物のたこ焼き機買ってきて、油しいて、ロデブの生地をやったら揚げパンになっちゃうんですよね。油が入っちゃって。まぁまぁこんな、くるりんっとやっても量加減なんかも難しくて、ひっくり返すときに上の生っぽいところがへこんだりしてなんか不自然なんですよ。もっと自然にならないかな、とかって思って。で、最終的にマフィン型にロデブの生地を落として何10gって量を一回窯で白っぽく焼いて、それを出してもう一回その温めた石の上で焼き直すに落ち着いて。

ご苦労様です。笑

丹野

はい。この話を、仁瓶さんと明石さんにお話したら『おもしろいね』って言ってくださって。『おもしろいね、その話』って。

笑。。。やばいですね

丹野

いやいやいや、本当にそうなんです。

そんな話をしてしまうと‥‥

丹野

そう、やってよって言われました。俺もう熱心に語って『やってよ』って言われたら『はいっ』ってなっちゃうんですけど、でももうお誘いいただいて2カ月後ぐらいに俺の中では、もうその直後から『あ、これは俺が引き受けるべきではなく、小川さんにやってもらうのがいいんじゃないか』ってずっと思ってたんですけど、俺の立場でそんな提言をするっていうのが、なんとおこがましいことかっていう迷いもございまして。10月のロデヴの会に関する連絡をもらった際には『大変恐縮なんですが』みたいな 笑。

とうとう、、、

丹野

でも、ご理解いただきました、そこも。それもあって小川さん。すみません、話が長くて 笑。

 

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