製パン基本のき 5
ベッカライ ブロートハイム
明石克彦
「データ」
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そういった ひと工夫を今後もお聞かせください。データの話に戻らせて頂きますが、具 体的には何を付けていくのですか?
明石 温度、室温、紛温、天気は当然…
はい、それとパンの出来に関しても記す項目があるのですね
明石 さっき話しましたけど、今は毎朝、サンドイッチ 作っていますから、仕込み担当者 に1 回目のフランスと 2 回目のフランス、ここがこうだったああだったって全部話してます。
パンから逆算して
明石 製品の評価は良くなかった時は、みんなで成形の時はどうだった、それから窯の時 はどうだったと検証して、そうすると今のメンバーだと翌日はだいたい変わってきていま す。クリア出来ていますね。
データがあるからこそ、スタッフも修正が早いのかもしれませんね
明石 例えば粉がブレた時に、いついつもブレたけどあの時、水減らしたとか、それを見て、じゃあその時どう対処したかを残していますから、「あ、この時ミキシングこうだったね、水こうだってね」と活用しています。
データがあれば対処し易いですね
明石 それと粉のロット。これはもうマストです。必ずここにロットを書くようになってる。これは 19 年の 12 月 29 日のですよとか。それはもう欠かさずにやっています。
メーカーさんもタジタジですね
明石 だから粉の状態がこれ見るとわかるから、メーカーと話してても「いや、このロッ トからね….」って話せますから。
講習会で講師を担当される時も役立ちますね
明石 講師をやる時は、全部がぜんぶてはないけど、ほぼこのデータが活きてきます。
ベースになるのですね
明石 うん。それと、まぁそれはさ、仕込み水温を出す難しい計算式もあって、あれも意 外と合うんだけど。実際はその設備と仕込み量によって全部変わっちゃうから。やっぱり 固有のデータがないと。例えばうちと同タイプのケンパーだったらうちのとほぼ近い数字 でいけるぞとか。要するに摩擦係数とかが大体似てくるから。で、それで予想ができるけ どまるっきり違う時にはやっぱり本当はミキサーの回転数を調べないと。フランス人の職 人がすごいのは、ミキサーの軸の回転を調べてるの。で、これ何十回転だったら 5 分回せ ばいいねってやっているのですよ。
そうですか。すごい。
明石 国内でフランス人が講師やったりすると、温度がぴったりだったり、近い温度で合 うのかなぁと思っていたらミキサーの軸の回転数を全部聞いている。あ、なるほどねと思 って。
それはそういう風に教えられているのですかね?
明石 教えられている。見習いの時に教えられているみたい。だから、それがもう体と頭 に染みこんでいる。
難しそうではありますね