パン屋のこゝろ 7 ヴァンドゥーズは楽しい⁈
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昨日大きなパンを買っていったと思ったらまた今日も違う大ぶりの物を買って行ったり。思わず何人家族ですか?と聞きたくなる。やはり主食だけあって、パンがとても大切な存在であることを実感。私は美味しい物を作るのも食べるのも好きだけれど、売るのも好きらしく接客をしているととても楽しい。
17:00を過ぎると一気に店が混み、道に行列ができる。スキーの後におやつと夜のパンを買いに来る人が多い。パンの他にもデザートとしてフランボワーズ・ブルーベリー・レモン・チョコ・ピスタチオなどのタルトやクレームブリュレ・チョコレートムースなどのデザート類、クッキーなどの焼き菓子やドーナツの量り売りも行っているので商品アイテムはかなり多い。
お客さんの要望にこたえながら店の中を行ったり来たりして、大忙しだ。気付くと19:00を回っていて、接客をしながらも閉店準備に取り掛かる。出来る範囲の掃除を開始し、20:00には店を閉める。
売り子を始める前、オーナーに「ここの店に来る人はお金持ちで、ツンケンしている人が多いからイヤな思いをするかもしれないけれど、頑張ってね」といわれた。実際接客をすると、確かにお金持ちの奥様&旦那様みたいな人が多い。大半の人達はとても感じが良く、お上品である。が、やはり感じの悪い人はいる。本人の意図は分からないが、アジア人ということで差別というか下に見ているのではないかと思う事がたまにある。注文を確認の意味で聞き返すと「そうだよ。そんなことも分かんないの?耳が悪いんじゃないの」とても感じ悪く言ってきた。「いやぁ、頭が悪いんですよ」と言いたかったけれど、怒られそうだったから止めた。ある人は、私が商品の値段を言ってその人は理解してお金を準備しているにも関わらず他のスタッフに「いくら?」とわざわざ確かめたり。“この野郎っ!!”と思いながら「Merci」と笑顔で商品を渡す。意地悪な人にも笑顔で接客をする事でそんな意地悪は役に立たないよと教えてあげる。他のスタッフが「何であんな事言われて笑顔でさよならって言えるの?あんな人無視しちゃえば良いのに」と言って来るが、私のスタイルはこれで良いのだ。
全ての作業を終え家に着くのは21:00前になる。足湯をしながらビールを飲み、その後ワイン・チーズ・パンを楽しみ、23:00頃眠りにつく。1週間前までこの時間に起きていたと思うと不思議な感じがするけれど、自分は結構順応性が良いらしい。もうこの生活が普通になった。 →次号へ続く