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サンドイッチ日和 7 野菜のサンドイッチ ナガタユイ 

サンドイッチ日和 7

野菜のサンドイッチ    ナガタユイ

 

今回は、暑い夏に向けたメニューとして野菜のサンドイッチの提案をナガタさんにお願いしました。野菜の美味しさは勿論ですが、暑い夏でも手が伸びるヘルシーなサンドイッチの紹介です。

私がサンドイッチのお話を最初にする時に、必ず言うのが「サンドイッチの基本はハムサンド」ということです。

長年、ハム屋でハムサンドを提案していたからという訳ではなく、バゲットサンドの基本である「ジャンボン・ブール」がハム(とバターの)サンドだというのもその理由の一つです。

 

シンプル・イズ・ベスト!

パンとハム(とバター)だけでとびきりおいしいサンドイッチが作れるけど、日本では、このおいしさが広まっているとは言えません。

パン屋さんでサンドイッチを選ぶお客様の多くは、「野菜が入っているから」サンドイッチ買う、というアンケート結果を見たことがあります。

パン屋さんの品揃えの中で、栄養バランスを考えて選ぶと「野菜が摂れる」のはサンドイッチか焼き込み調理パンの一部です。

サンドイッチの中に含まれる野菜量は、そんなに多くなかったとしても、他のパンに比べるとヘルシーな印象はあります。

そして、夏。蒸し暑く、食欲が減退しがちなこの時期になると、パンの消費が落ち込みます。喉越しの良い冷たい麺類やさっぱりしたものが好まれます。パン屋さんの中では冷蔵ケースの「サンドイッチ」が注目されます。実際に、サンドイッチに注力しているお店は、夏場の売り上げの減少が低いのも事実です。

暑くて、パンだけだと食べにくいけれど、よく冷えて野菜が入ったサンドイッチなら、食べやすいから。なので、真夏にどんなに美味しい「ジャンボン・ブール」を作ってもダメ。ここは「野菜」をバランスよく取り入れたサンドイッチに力を入れたいものです!

野菜の処理

「野菜」の魅力を生かしたサンドイッチを作るには、まずは、サンドイッチ作りの基本である、野菜の下ごしらえを丁寧にすること。そして、それぞれの「野菜」をおいしい食べ方を知っていることが大前提です。

基本の下ごしらえ、とは、レタスやグリーンリーフなどの葉物野菜なら、冷水にさらしてシャキッとさせること。その後、しっかりと水切りをすること。

加熱の必要のある野菜は、適度な食感を残して茹でたり、素材の味わいが生きる下味(塩、こしょうなど)をつけること。

トマトなら、パンと他の食材とのバランスを考えた厚さにスライスすること。また、軽く塩して味を引き締め、余分な水分はペーパータオルで押さえ取るなどして、パンへの水分移行を防ぐひと手間を加えること。

きゅうりなら、均一な厚さにスライスするのが基本で、塩、こしょう、ビネガーでマリネするとグッと洗練された味わいになる。

等々……ひとつひとつは当たり前のことなのですが、複数の野菜を同時に使う場面も多いことを考えると、ハムサンドと比べてかなりの手間ですね。

それぞれの野菜ごとに、適切な洗浄をするのが大前提の上で、おいしさの為の下ごしらえがあり、さらに夏場ということで商品の管理や保存性もより慎重に考えなくてはなりません。

そんな作業面のデメリット(負担)があるものの、作り手としてではなく、食べる側で「夏の野菜のサンドイッチ」を見てみると、やっぱり魅力があることもわかるのではないでしょうか。

野菜嫌いの人に向けるメニューは?

もし「野菜のサンドイッチの専門店」をされているなら、野菜嫌いな人にも手に取っていただけるような、新しい魅力のあるメニューを考える必要があるでしょう。

でも、これを読んでくださっている方の多くは、パンがメインでサンドイッチはサブで作られている(もしくはサンドイッチは作っていない)パン屋さんですよね。

ならば、この段階では、野菜嫌いに人に向けて、野菜のサンドイッチを作る必要はありません!(笑)

まずは、野菜が好きな方、野菜が入ったバランスの良いサンドイッチを食べたい方に向けて、「作り手であるみなさん自身が好きな、野菜のサンドイッチ」を作るのが一番です!

自分が好きなものは、そのおいしさの魅力をよくわかっているので、おいしさの為に必要不可欠なひと手間は絶対省かないでしょうし、そのおいしさをお客様にも知っていただきたい!という思いが、商品の一番の魅力になります。

何より、そんな思いがあるメニューは、絶対にお客様にも魅力が伝わります!

ナガタのおすすめ!野菜のサンドイッチ

野菜のサンドイッチ、というテーマを聞いて、どんなサンドイッチをご紹介しようか迷っていたたのですが、ここまでお話ししていたら、決まりました。今、私が一番好きで、今年の春……STAY HOME期間中から何度も作って、食べ続けているサンドイッチをご紹介しましょう。

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