製パン基本のき 7
ベッカライ ブロートハイム 明石克彦
「1年未満が約3割 3年未満で約半数 5年では約7割 10年になると9割近くに上る」。これは主にレストラン業態の飲食店が廃業するデータです。
一概にパン屋さんと比べることは出来ませんが、飲食店の運営が難しいことを表している数字だと思われます。
この企画をお願いしている「ベッカライ ブロートハイム」は秋には創業33年を迎えます。今回はベーカリーを長く続けていくお話を伺いました。
厨房を覗かせてもらうと随所に明石さん自作の設備がありますけど、いつ頃から始めたられたのですか?
明石
オープンの頃から手は加えています。「帯に短し襷に長し」ではありませんが、既製品に満足出来ないと言うのも一因です。コスト的な問題もありオーダーで整備せず多少の使い辛さがあるにせよ自分で作った方が描いているものに近いものに仕上がりますし。
確かにオーダーメイドはコスト掛かりますものね
明石
効率良く動ける厨房だと仕事も気分良く出来ますしね。カードなど道具は手を伸ばせば届くところにフックで掛けておけば良いですから。かけられない場合はドリルで穴を開けて下げておきます。目をつぶっていても取れるような感覚ですかね。
視線にカードが入ってくるのはそういったことからなのですね
明石
ひっかけるL字の金具はヒートンと言うのですが落ちないですし、白くビニールコーティングされているので安心です。他にフランスパン用キャンバスを敷く白板の周りのバリをペーパーで削っています。一般的にはベニア板などを使うのでトゲが刺さりやすいのと異物混入の原因にもなりますし。私達は手を怪我すると仕事にならないですからね。ほかにも障子貼りに使うヘラは長さもあって、めん台を清掃する時に使い勝手が良いのですよ。常にコレを何とかしたいと思っているので、ホームセンターなど訪れると色々な物が目に入ってきて「これ 使えるな」となってくるのですよ。
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