製パン基本のき 9
ベッカライ ブロートハイム
明石克彦
「地域との関わり」
前々回、コロナ禍でのブロートハイムの様子をお聞きしました。その中で「入店人数、購入するパンの数の制限」などお店側から打ち出しを行ったという話がありました。そういったお願いに対しお客さんは快く理解してくれたという事でした。創業33年を迎えるブロートハイムとお客さんとの関係を印象付ける話です。
今回はそういった「地域との関わり」に関してお聞きしていきます。
オープン以来、長く通われいるお客さんもたくさんいらっしゃると思うのですが、そのあたりの話からお聞かせください
明石
そうですね。お陰様で2日に一度くらいのペースで来店くださる方が多いですね。
年齢も高い方が多いようですが
明石
年代的に私と近い方が多いですね。ハード系のパン、食事に合うパンを求めていた人たちだと思っています。
なるほど
明石
店を始めた頃は、例えばフランスパンを硬いだけのパンだと思っている人が居ましたから、バゲットは焼き上がった時にパリパリと音がして、香り高く味わい深いパンだということを啓蒙していこうと考えていました。
最初のコンセプトは重要です
明石
日々食べるものですから、シンプルな方が、飽きがこないですよと言う事をお客さんに分かってもらえたらなという想いですね。
今ではそれがしっかり根付いていますね
明石
オープンする時は僕も失敗しないだろうか、と言う気持ちがありましたから。。。
華やかなデニッシュのようなパンを並べれば、、、
明石
店を始める時はお金を借りていますから、売り上げを作るためのパンを揃えるのか、日々生活の為のパンを焼くのか、、、
明石さんご自身、現在のブロートハイムのような方向にハンドルを切れたのはどういった心境からだったのですか?
明石
私もギリギリまで砂糖多めの食パンにするのかどうするか悩みました。失敗するかもしれないけど食べて美味しいと思える食パンを作ろう。どうせ失敗するなら自分が思う方角にハンドルを切ろうと思っての出発でした。
どのあたりで間違えがなかったと感じたのですか?
明石
JPBの会長だった福田さんが突然店に来たことがあったのですが、厨房まで入ってきて見て回られて。スライサーの所で立ち止まって、そこはパンのクズがいっぱいだったのですよ「まずい 怒られるな」と思ったら、「明石、こういうパンじゃなきゃ駄目なのだよ」とひと言。
ドキドキしますね
明石
スライスするとクズが沢山出るような、油脂が少ない、焼き込んだパンじゃなければ駄目なのだよと云いたかったのだと思います。その時ですね、はじめに掲げたコンセプトは間違えじゃなかったと思えたのは。
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